キャラ紹介
主人公:加勢 正樹(かせ まさき)
チアリーダーちゃん:垣谷千愛(かきたに ちあ)
チアリーダーちゃんの身内:垣谷真白(かきたに ましろ)。主人公のことを血縁関係が無いが、「お兄ちゃん」と呼ぶ。
本編
千愛さんと、抱き合っているとき。彼女の口からとんでもない言葉が漏れる。

「ね、もし、真白が『したい』って言ってきたら……してもいいよ?」
「えっ?」
千愛さんは突然何を言い出すのだろうか。
僕の疑問の視線を察したのか、千愛さんは続ける。
「最近ね、考えたんだ。真白も私と同じで……誰かに助けて欲しいと思ってるのかなって」
「どういうこと?」
「私は、加勢君に助けて貰ったよね。誰も私のことを見てくれなくて……寂しかったし、怖い思いをしたときに、救って貰った」
「真白ちゃんも同じ?」
「うん。真白は前にね、連れ去られそうになったことがあって、男の人が怖いみたいなの」
え? 初耳だ。それに僕に対しては、全くそんな素振りを見せない。むしろ、人懐っこいし無防備すぎて心配になるくらいだ。
「あんなに明るくて、僕と仲良くしてくれるのに?」
「うん。でもね……家では、震えてて……怖がってることがあるの。最近は大分良くなったんだけどね。時々、一緒に寝てあげないと怖いみたいで」
そんな。あんなに明るい真白ちゃんが、大きな悩みを抱え傷ついていたなんて。

「そっか。あまり言いたくなかったことだよね。話してくれてありがとう」
「ううん。私はね……加勢君に助けられた。だから、真白のことも助けてあげて欲しいなって……そう思う」
千愛さんの表情が真剣なものになる。
「もし……真白が加勢君とそういうことをしたいって言ったら、助けてあげると思って応えて欲しい。上書きっていうか。私もね、真白の明るさに助けられているから」
彼女の過去を知ったことで、さらに守ってあげたい気持ちが強くなる。
だけど、そんな彼女とセックスなんて……そう考えると複雑な気持ちだ。
「う、うん……考えておくね」
「あ、でもね、加勢君が嫌だったら、無理しなくても良いから」
僕が微妙な返事をしたからか、助け船を出すように千愛さんが付け足す。
嫌かどうかを考えてみる。真白ちゃんは、少なくとも僕の前ではとても快活な性格だ。
注意すると素直に従い、時に我慢している様子もあった。性格に嫌いだと感じる要素は無く、むしろ一緒にいて元気になるような、そんな好感が持てる女の子。
もし僕が同じ年齢で、同じクラスに真白ちゃんがいたら好きになってもおかしくない。
容姿だって、千愛さんにそっくりで可愛らしく、嫌いになる要素がない。つまり……。
「もし真白ちゃんが本当に望んで、僕も真白ちゃんを大切に出来るなら——。でも、こればかりは無理強いは良くないから。まずは、真白ちゃんの話を聞いてからだね」
「うん。そうだね」
千愛さんはにっこり笑った。
その笑顔を見て安心する。こうやって千愛さんと真白ちゃんのことをしっかり考えられることも僕にとって嬉しいことだ。
——とはいえ。
もし僕の身内が千愛さんとそういう関係になるのは……嫌だ。自分の独占欲にうんざりするけど、どうしようもない。
「千愛さんは、嫌じゃないの?」
「え?」
……
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