キャラ紹介
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加勢 正樹(かせ まさき):主人公
垣谷愛梨(かきたにあいり):このルートのヒロイン。
チアリーダーちゃん(垣谷 千愛/かきたに ちあ):加勢正樹のクラスメイトで、正樹の恋人。愛梨の娘で、普段は愛梨を「愛梨さん」と呼んでいる。
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「そうなのね。じゃあ……お話しよっか。ここじゃあれだから、私の部屋で」
いつもよりくだけた言葉遣いで、まるで千愛と話している時のようだ。
僕も気になっていたし、千愛さんからも「聞いてあげて」と言われていた。
ただ、薄着のせいで、落ち着いて話を聞ける自信がない。
「……はい」
「じゃあ、こっちね」
愛梨さんは僕の手を引くと、自室へと招き入れてくれたのだった。
部屋は落ち着いた色合いで、本棚もきれいに整理されている。壁にはシンプルなカレンダー。
ベッドには、さっきまで誰かが横になっていたように布団が少し乱れていた。
愛梨さんが僕の隣に腰を下ろすと、肩が触れる距離。甘い香りが漂ってきて、胸が高鳴る。
もちろん、さっきの出来事を覗いていたなんて、彼女は気づいていない。
「何か飲む?」
「あ……大丈夫です。ありがとうございます」
「そう?じゃあ……ちょっとそこに座って」
愛梨さんはベッドの端を指さす。

僕は少し緊張しながら、そこに腰掛けた。
愛梨さんも隣に座る。肩が触れ合うくらい近くで、甘い香りが漂ってきた。さっきのことを思い出してしまって、ドキドキする。
でも、この感じだと、先ほどの一人エッチを僕が覗いていたなんて気付いていないようだ。
「どう? 最近の千愛は」
「えっと……変わりなく元気ですよ。ただ……部活の疲れとかあるみたいで」
「あ、もしかして、先に寝ちゃった?」
愛梨さんは少し困ったように微笑む。
「そうです。だから少し暇で」
愛梨さんはくすくす笑う。その笑い方に、どこか寂しさが滲んでいる気がした。
「そう。千愛、あなたの前だとすぐに安心して眠っちゃうのね。羨ましいな」
「それは……愛梨さんは違うんですか?」
含みのある言葉に、どうしても聞いてしまう。愛梨さんは目を伏せてから、ゆっくりと話し始めた。
「私はね……千愛の母親だから、弱いところ見せられないじゃない?」
「そう、ですか?」
僕の問いにしばらく間が空き、愛梨さんは噛みしめるように話し始めた。
「実はね、千愛も真白も、私の実の娘じゃないの。姉の子なの」
僕は思わず目を瞬いた。
「姉は康夫さんと結婚して、婿入り同然で一緒に暮らしていたんだけど……その姉が急に離婚して、どこかへ行ってしまったの。それで、康夫さんと子どもたちを放っておけなくて」

やっぱり、愛梨さんは千愛さんや真白ちゃんの実の母、じゃあないんだ。
「それでね、私、千愛と真白にはちゃんとお母さんがいないといけないって思っちゃって、高校卒業してすぐ康夫さんと結婚することになったの」
「え、そうだったんですね」
驚きだ。恋愛感情はどれくらいあったのだろう。
それで、愛梨さんは幸せだったんだろうか。
千愛さんはとても素敵な女の子だと思う。ちょっと甘えん坊だけど……まっすぐ育った所を見ると、愛梨さんの存在はとても大きい。
僕も、愛梨さんに感謝するべきなのだろう。
「あ、全然ね、結婚することは嫌じゃ無かったの。康夫さんね、素敵な人だった。真面目で優しくて……でも出張も多くて……あまり一緒に過ごせないまま事故で——」
愛梨さんの声が掠れる。僕は彼女の手が僅かに震えていることに気づいた。
驚きの事実だ。びっくりすると同時に、愛梨さんのことを凄い人だなと思った。
そのまま未亡人として、千愛さんと真白ちゃんを育ててきたのだから。
「千愛が心配で。彼女が結婚するまでは結婚できないなぁって。だから、あなたが来てくれて本当に嬉しいのよ」
愛梨さんが僕をそんな風に見ているとは思っていなかった。
まあ、多分……このまま交際を続けて千愛さんと結婚、などと考えることはある。
でもまだそれは先のことだと思っている。
僕の顔を見て愛梨さんは嬉しそうに笑った。

「千愛って可愛いでしょう? それに明るくて良い子じゃない? そんないい子をあなたのような男の人なら、任せても良いなって思ったの」
「そんな……僕はまだまだ未熟だし……」
「未熟だからこそ成長の余地があるじゃない? それに千愛を大事にしてくれるならそれで十分よ」
その言葉に僕は嬉しくなって、でもちょっと申し訳なくもなった。
自分が愛梨さんの期待に応えられるかどうか不安だった。
「愛梨さん……僕が千愛さんと付き合っていても大丈夫ですか?」
「もちろん。あなたなら千愛を任せられるって思えるもの」
その言葉に胸が熱くなる。背筋を伸ばし、もっとしっかりしようと心に決めた。
「ありがとうございます」
愛梨さんは優しく微笑む。
その表情を見て、千愛さんにも言われていたけど、愛梨さんの力になりたいと思った。
僕の出来ることなら、なんでもしてあげたい。
「愛梨さん、僕でよければ、何でも言ってください。力になります」
「え? ……いいの?」
愛梨さんは驚いた顔をする。僕は頷いた。
「愛梨さんが寂しいなら、話相手になりますし」
「ふふ……ありがとう。あなたはやっぱり、すごく優しいね」
そういえば、愛梨さんが僕を「あなた」と読んでいることに気付く。
すると、愛梨さんは少しためらいながら僕の耳元にささやいた。

「その、嫌じゃなければだけど、今だけ、甘えさせて貰ってもいいかな?」
「えっ?」
「やっぱりこんなオバサンは、嫌?」
「そんなことない。千愛さんのお姉さんだと言われても信じてしまうくらい、綺麗です」
僕は慌てて否定した。愛梨さんの笑顔が曇るのが辛かったから。
それに実際、千愛さんのお姉さんだと聞いても信じてしまいそうな美貌を持ち、こうやって近づいても肌はきめ細かく色彩を放っている。
オバさんだなんて、とても思えない。
「ありがとう。じゃあ……」
愛梨さんは少しだけ照れくさそうに目を伏せると、僕に体重を預けてくる。
肩が、腰が触れ柔らかな胸の大きさを感じた。
「ふふっ……もう、男の体って感じがする」
僕は肩に手を伸ばし抱えると力を込める。
腕の中に愛梨さんが収まり、体温が伝わってくる。柔らかな肉が、心地よい香りが、僕の五感を刺激していく。
千愛さんと似た匂い。甘く優しい香りだ。
……
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